思考録

個人の感想であり、効果・効能を示すものではございません。

Re: Re: かけ算の順序問題

先日の当ブログ記事:

 

hsdefs.hateblo.jp

に対して以下の通り本論争専門のブログを持つ方から言及を頂いたので、返答的な記事を書いておきたいと思います。

 

takexikom.hatenadiary.jp

 

当初あちらのブログへのコメントにしようと思いましたが、コメント欄が見つかりませんでしたのでこちらの記事として起こすことにしました。

以下あちらの記事を引用しながら再言及します。赤字強調は私によるものですが、太字・下線などはそのまま引用しています。

 

  • 前半に書かれた「実数のかけ算においては交換法則が成り立つ」に関して,このことを否定するつもりはありませんが,昨年第五版が出た『算数教育指導用語辞典』では,四元数については交換の法則は成り立たないことを言及しています。規則の適用に注意が必要となることは,算数を専門とする小学校の先生であれば承知のことではないかと思います。

 私は「算数を専門とする小学校の先生」ではありませんが交換法則が成り立たない場合があることは知っていますし、大学数学などを経て行列などを知っているはずの教員であれば当然ご存知かと思われます。

「規則の適用に注意が必要」というのは、将来「交換法則は常に成り立つわけではないんだよ~」と教えられたときに矛盾しないようにということでしょう。しかしごく普通の児童のことを考えるならば、小学生・中学生・高校生である期間の大半は可換な世界(乗法交換法則が常に成り立つ)で過ごすことになります。私の知識が確かならば非可換環(乗法交換法則が成り立たない)と初めて出会うのは高校数学IIIの「行列」の単元であり、数IIIをとらなかった文系学生であれば大学数学です。たとえ小学生の頃の教師に「乗法交換法則は絶対だ」という嘘を教えられた生徒であっても数IIIを習うような発達段階においてその矛盾に苦しむことになるなどとは考えにくいです。「嘘も方便」と処理できるでしょう。

 多少本筋からズレました。

 改めて教員ならば「乗法交換法則が成り立たない場合があることも含めて」100%乗法交換法則を知っているという前提に立てば、指導書等記載の乗法の式「(1つ分)×(いくつ分)」については、それが可換であるか非可換であるかについてより注意して読み取る必要があるかと思われます。しかし小学校で扱うのは実数のみであることから「この式は可換である」と考える教員が居てもおかしくありません(私はそれが普通だと思いますが)。

 そうすると、より一層順序に注意させたければ順序についての特記があって然るべきでしょう。そのような記述は引用元の画像や私の調べた範囲からは見つけられませんでした。

 

 

  • はじめのほうに戻りますが,「かけ算の式には好ましい順序があり、その通り指導しなければならない。逸脱する生徒は矯正しなければならない。」こそ,ご自身の思惑を入れた、自分勝手な読解ではないでしょうか。引用されているツイートの画像には,「順序」の語が見当たりません。

誤読されているようであります。

順序肯定派の思想を「かけ算の式には好ましい順序があり、その通り指導しなければならない。逸脱する生徒は矯正しなければならない。」と表現したのは私ですが、件の画像からそう読み取ったのは私ではありません。元記事で批判対象となっている「ひんちゃん」氏をはじめとする順序肯定派です。

そのことは引用したtweet から明らかではないでしょうか。そのtweetを下に再度引用します。

 

この画像を順序指導の根拠だと明確におっしゃっております。私はそれを記事全体で批判しております。

 

それとも順序肯定派の思想を「かけ算の式には好ましい順序があり、その通り指導しなければならない。逸脱する生徒は矯正しなければならない。」と読み取ることそののもが誤りだとおっしゃりたいのでしょうか。もしそうならば私がこの論争に首を突っ込む理由そのものがなくなります。

 

終わりのほうの「いざ乗法を文章題に活用する段になって「交換法則の活用は認められない」というような指導を行う」について,教科書を手に取りチェックするのが困難としても,せめて教科書会社のWebページへのアクセスは,されてもよいのではないでしょうか。


そのような資料があることを存じ上げませんでした。これは私の無知に帰するところです。ご教示いただいたことに感謝したいと思います。

新学習指導指導要領解説にも順序についての記述が表れたということも教えていただきましたが、なるほどそれは順序指導の根拠となり得ますね。「根拠もなくそのような指導を行っている教員がいる」という認識については改めたく思います。

 

他方で「教科書や指導要領解説がそう言っているから」といって順序指導の是非についての私個人の考え方を変えるつもりはありません。

すなわち実数の乗法では交換法則が常に成り立つ。である以上は文章題の立式で適切な2数が「左右(順序を)問わず」乗じられており、答えの単位が間違っていなければ正解とすべきであるという考え方は変わりませんので、今後は教員個々ではなく当該の指導要領解説や教科書を批判対象とさせていただきたく思います。

指導要領や教科書に拘束される教員ではありませんので問題はありませんよね。(そもそも指導要領「解説」には教員を拘束する力はないと思いますが)

 

 

さて、本稿を起こすにあたって引用元のブログの記事をいくつか読ませていただきました。気になった点を一つだけ。

 

『かけ算の「順序」について 2017.12』という記事からの引用になりますが

 3番目は,算数の出題において,1種類のかけ算の式のみを正解とすることの是非です。
 「さらが 5まい あります。1さらに りんごが 3こずつ のって います。りんごは ぜんぶで 何こ あるでしょう。」という問題で,式に「5×3=15」を書いたら,不正解のバツ印がつけられる件です。《順序論争》と呼びましょう。
 この論争で批判する人々は,a×b(上のりんごの文章題なら,3×5=15)が正しい式であることは了解しており,その上で,b×a(同じく,5×3=15)も正解にすべきだと主張している,という点も,注意したいところです。

 

「3×5=15正しいが、5×3=15正解」というところの助詞の使い方については、による限定によって「3×5=15が本来の正解だが、5×3も正解として許容される」と読み解くことができます。誤読かもしれませんが、先に述べた通り私は 3×5 も 5×3 も完全に等しく正解だと思っており、順序によって優劣をつけること自体がナンセンスだと思って批判しています。

 

さいごに、本ブログコメント欄について

 上の記事に対して,少し時間をとって次の文章を作成し,コメントとして投稿しようと考えました。

(中略)

 冒頭の記事の下段,「コメントを書く」のボタンを押すと,「コメントはブログの管理者が承認すると公開されます。」と表示されました。メインブログのアカウントにするか,当ブログのにするか,迷って結局,本記事にて公開することにしました。

という言及をいただいております。 

起稿の経緯を書くか書かぬかは全くの自由ですし、あれだけの長文を起こされて投稿したが非公開になったらたまったものではないというお気持ちは十分理解致します。

しかし……多少穿った見方かもしれませんが……このようなコメント欄についての言及の仕方は「このブログの主は批判を受け付けようとしない狭量なヤツなんだな」という印象を与えかねないものですので、一言断りを入れておきたく思います。

当ブログのコメント欄は承認制となっておりますが、誹謗中傷を含むもの、広告、その他愚にもつかないものでなければご反論ご批判を含め原則として公開する方針としていますので、どんどんご投稿ください。(一時試験的に承認を外してみましたので現在は承認制になっていないと思います)

 

 

最後に、冒頭の繰り返しになりますが当初あちらのブログへのコメントにしようと思いましたが、コメント欄が見つかりませんでしたのでこちらの記事として作成することにしました。